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ヴィーナスの命題

真木武志 角川書店
出版时间:

2000/10  

出版社:

角川書店  

作者:

真木武志  

Tag标签:

无  

内容概要

第二十屆橫溝正史推理小說大獎候補作品。
『ヴィーナスの命題』は第二十回横溝正史賞に応募され、最終候補作の一つとなった長編ミステリである。今年二月に行なわれた選考会において、これは文字どおり賛否両論を呼び、結果的に受賞は逸したのだけれども、全面的な改稿を経てこのほど刊行の運びとなった。「賛」の側に回った選考委員の一人としては大変に嬉しい展開であるわけで、とにもかくにもここではまず、作品そのものと作者の真木氏に対して大いなるエールを送りたい。
『ヴィーナスの命題』は実に魅力的な小説である。ぜひとも多くの人々に読んでいただきたいと思う。
前記横溝賞の選評(『KADOKAWAミステリ』2000年4月号掲載)の中で、僕は次のように記している。
今回の最終候補作の中ではしかし、真木武志氏の『ヴィーナスの命題』に、僕は最もきらめくものを感じた。高校を舞台にした青春小説仕立ての本格ミステリなのだが、青春小説としても本格ミステリとしても、非常に愛すべき作品だと思う。竹本健治『匣の中の失楽』や法月綸太郎『密閉教室』、恩田陸『六番目の小夜子』などなどの先行作品を思い出させつつも、決して借り物になっていない。相当に技巧的な文体が、リーダビリティに少々問題はあるものの、実にセンス良く使いこなされていて好もしい。登場人物のほとんどが高校生で、しかも現実の学校には絶対に存在しないだろうと思われるような連中ばかりなのだが、それがまた良い。確かに現実には存在しないかもしれない。けれど十代の一時期、僕たちはみんな多かれ少なかれ彼らのような部分をどこかに持っていたはずなのだ。それをデフォルメして造り上げた、何とも切なく愛おしい学園世界。そしてそこで起こる事件は、そういった世界だからこそぎりぎりの説得力を持ちうる展開を見せ、意表を突く結末へと向かうのである。
これはその時の、掛け値なしの僕の感想であり評価だった。そして、応募原稿を読了した直後の興奮がすでに半年以上過去のものとなってしまった今もなお、この作品を支持しようという気持ちに変わりはない。今回ゲラで再読してみて、「やはり良いなあ」と改めて感じ入ったものである。改稿によって、応募段階の原稿ではいくらか説明不足だった部分が適切に補われ、同時にリーダビリティも向上している。
ただし――。
この作品は、誰もが気軽に読めて文句なしに「楽しむ」ことのできる類の小説では、必ずしもないかもしれない。決して「難解」なものではないけれど、十二分にこの作品を「楽しむ」ためには、「読み解いていく」ことに対する読者側の相応の積極性と、恐らくはあるレベルの知性・感性が要求される。隅々まで考え抜いて書かれた良質の本格ミステリであることは保証できるが、最後まで読みとおしても事件の犯人や真相がよく分からないという人がいない保証はできない。――といったいくつかの意味において、確かにこれはなかなか厄介な作品でもある。読者の間でも今後、賛否両論を呼ぶことになるだろう。
しかしながら、そのような問題をもいっさいがっさい含めたところにこそ、「『ヴィーナスの命題』は実に魅力的な小説である」という命題は成り立っている。それもまた確かなことなのである。


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