カムイ伝 (14) (小学館文庫)
1995-7
小学館
▼第1章/カンダチ▼第2章/嵐▼第3章/第三の領主▼第4章/号び(1)▼第5章/号び(2)●主な登場人物/カムイ(厳しく差別される身分から自由を求めて脱出し、忍びと化した天才忍者だが、現在は忍びの世界から抜け出すべく逃亡中)、正助(優れた知能で社会を改革しようとする農民)●あらすじ/町人請け負いの新田開発の通達に抗議するため、江戸に出向いていた竜之進。しかし、彼に命ぜられたのは、領内の物品の取引きの権限をイタミ屋という商人にゆだねることと、身分差別強化のための人別改めの議だった。さらに幕府の決断によって代官の交代劇が起こる。結局、身分制度は元のもくあみに帰し、新田開発計画も頓挫して、せっかく竜之進らが推し進めてきた日置の改革は大きく後退してしまう。そして幕府の思惑通り、領内の市場の実権はイタミ屋が握ることになるが、このイタミ屋の正体は? そしてその背後にあって、幕府と結び付くほどの巨大な力を持つ人物とはいったい何者なのだろうか……?●その他の登場キャラクター/ナナ(カムイの姉)、苔丸/スダレ(夙谷の住人で、正助の協力者)、ゴン(花巻村の農民)、笹一角(本名は草加竜之進。目付けの陰謀で一門は断絶、その仇を果たした一角の死後、彼の名を名乗っている)、夢屋七兵衛(金の力で権力に対抗しようとする商人)、赤目(カムイの忍びの師匠。忍びの社会から抜け出し、夢屋の商売を助けている)、橘一馬(元目付けの息子)、玄蕃(元目付けの弟)、横目(夙谷の頭)、サエサ(横目の娘・くノ一)、水無月右近(剣に生きる浪人)、錦丹波(笹一角に代わって日置の代官になった男)、イタミ屋(江戸から来た御用商人)
徳川幕府による厳しい身分制度下、権力の重圧にあえぐ者たち。多彩な人物群と雄大な構想、透徹した歴史観で綴る白土劇画の代表作であるばかりでなく、日本コミック史上に燦然と輝く名作。