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戦争と華僑

菊池一隆 汲古書院
出版时间:

2011-1-17  

出版社:

汲古書院  

作者:

菊池一隆  

内容概要

【序論】より
私はこれまで時期的には日中戦争期を主要な研究テーマとしてきた。その際、中国抗戦を物心両面から支援する勢力として華僑が常に登場する。こうしたことを鑑みると、華僑は政治、経済、社会、国際関係など諸側面から考察する上で不可欠な重要テーマといえよう。ところで、中国では、当該時期の研究が幾つか出ているが、世界華僑による蒋介石・国民政府や中国共産党(以下、中共と略称)への支援、及び日本の侵略への抵抗というプラス面のみが強調されてきた。果たしてこれは歴史的事実なのであろうか。半面の歴史しか明らかにしていないのではないか。こうした疑問をもった。その結果、私はアジア・太平洋戦争期における南洋を含めた華僑動態に焦点を絞り、自ら本格的に究明しなければならないと考えるに至った。したがって、本書では、特に一九三七年盧溝橋事件(中国では、主に「七・七事変」と称す)以降、地域的には日本、植民地台湾、朝鮮、そして日本軍政下の南洋という、いわば「敵国」日本の支配下にあった地域の華僑を主要な研究対象とすることにした。換言すれば、一般的に強調される華僑による中国抗戦支援が公然とはできず、華僑が複雑な対応を迫られた地域である。すなわち、華僑は自らの生命・生活・財産を守るため、祖国中国に帰国するか、沈黙するか、あるいは対中侵略の日本に消極的にしろ積極的にしろ協力するか、それとも命を賭した抗日闘争に立ち上がるか。いかなる選択をするにしろ、そこには実質的意味で「中立」というスタンスはありえなかった。
本書の狙いは、日本、蒋介石・国民政府、傀儡政権、華僑団体、一般華僑という複眼的な視点で、当時の華僑の動態と構造を明らかにすることである。

书籍目录

序 論
第一章 戦時期における全日本華僑の動態と構造
第一節 中国大使館と全日本華僑
盧溝橋事件と日本華僑/中国大使館の動向と「国民党事件」
傀儡臨時・維新両政府の成立と華僑動態/
南京汪政権と「全日本華僑総会」の成立
太平洋戦争後における日本華僑の動態
第二節 日本各地域における華僑の動態と構造
――総領事館・領事館の動向と関連させて――
樺太・北海道各華僑の動態と連合・離反/
横浜総領事館と横浜華僑の動態
神戸総領事館と神戸華僑の動態/
長崎領事館と長崎華僑の動態
沖縄華僑、台湾人、及び沖縄県民の位置
第三節 日本国内における中国・「満洲国」留学生の
対日抵抗について
盧溝橋事件以前における留学生の抵抗運動/
盧溝橋事件前後以降の留学生の帰国状況と言動
第三勢力系留学生・人士と「人民戦線派」事件/
「中国共産党」系留学生による対日抵抗運動
国民党系留学生による対日抵抗運動/
南京国民政府、及び日本、傀儡政権の留学生対策
第二章 日本植民地台湾における「華僑」の動態と特質
台湾「華僑」の基本的動態と構造/
盧溝橋事件以前の台湾「華僑」の動態と特質
盧溝橋事件後の台湾「華僑」の動態と特質/
「台湾籍民」(台湾人)の活動と台湾の戦略的位置
第三章 日本植民地朝鮮における華僑の動態と対日抵抗
盧溝橋事件後における朝鮮華僑の動態と臨時政府の成立/
南京汪政権の成立と朝鮮華僑の動態
戦時下諸問題と朝鮮華僑/
総領事の対日抵抗と朝鮮華僑の武力抗日闘争
第四章 「大東亜共栄圏」下における南洋華僑の「媚日」と抗日
――汪精衛のプロパガンダと関連させて――
汪精衛の「和平」プロパガンダと南洋華僑に対する影響
日本軍の英領マラヤ・シンガポール占領と華僑動態
日本軍政下の華僑対策とその推移
タイ・ベトナム・ビルマなどにおける南洋華僑の
「媚日」動 態
南洋華僑の抗日ゲリラとサボタージュ
第五章 戦時期日本・台湾・朝鮮・南洋における華僑学校教育
――その実態と特質――
第一節 日本・植民地台湾における華僑学校教育
横浜・神戸・長崎における華僑学校教育/
中国人戦災孤児の「保育問題」
植民地台湾における「華僑」学校教育問題/
南京汪政権における華僑学校改善の模索
第二節 植民地朝鮮における華僑学校教育
朝鮮華僑学校の窮状と打開策/
朝鮮各地における華僑学校教育の実態と特質
華僑中学校創設のもがきと紛糾
第三節 「大東亜共栄圏」下における南洋華僑学校教育
――マラヤ・「昭南」(シンガポール)を中心に――
日本軍によるイギリス式華僑学校教育の再編強行/
日本軍による初等教育の再編
教師再教育と上級師範学校/
現地官吏・指導者の育成と日本留学
日本語普及政策とその特色
結 論
後 記・索 引(人名・事項)


图书封面

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