ある運命について

1984-6  

中央公論社  

司馬遼太郎  

人間を愛し、その足跡に限りなく愛惜の情を注ぐ作者が、広瀬武夫の文学的資質、長沖一の軍隊小説を歴史の土中から掘り起し、さらに同時代のひとびと、身辺風土を語る。歴史と現代に生きる人物と運命を濃密に洞察する司馬文学の精髄。

司馬 遼太郎（しば りょうたろう、1923年（大正12年）8月7日 - 1996年（平成8年）2月12日）は、日本の小説家、ノンフィクション作家、評論家。本名、福田 定一（ふくだ ていいち）。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼（はるか）に及ばざる日本の者（故に太郎）」から来ている。
産経新聞社記者として在職中に、『梟の城』で直木賞を受賞。歴史小説に新風を送る。代表作に『竜馬がゆく』『燃えよ剣』『国盗り物語』『坂の上の雲』など多くがあり、戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。『街道をゆく』をはじめとする多数のエッセイなどでも活発な文明批評を行った。

遠い世からの手紙
「文学」としての登場
"旅順"と日本の近代の愚かさ
昭和五年からの手紙―長沖一とその世代環境
古本を読む以外さ
ある運命について
服従について
歴史の風景
中世の開幕
「箱根の坂」連載を終えて
雑賀と孫市のことなど
「菜の花の沖」余談
『胡蝶の夢』雑感―伊之助の町で
奇妙さ
池辺三山のこと
同時代のひとびと
年譜を見つつ
山本さんの律義
小磯さんの芸術
ヨゼフ忠三郎たち
印象の深刻さ
思い出すのがつらい
奈良法蓮時代・仄聞
身辺風土
土佐の高知で
若い訪問客
山姥の家----人間を私有すること
富士と客僧
私にとっての旅
上方についての小さな憂憤
まず、人間にとっての芸とは何かについて
次いで「上方花舞台」についての簡略な紹介を
大阪城公園駅
あとがき―A氏のことども

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