闇桜・ゆく雲 他

1997/02  

河出書房新社  

樋口 一葉 (著),井辻 朱美 (翻訳), 多和田 葉子 (翻訳), 角田 光代 (翻訳), 山本 昌代 (翻訳)  

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良之助と千代は隣家同士。幼い頃より、兄妹のように慕い合い、二十二歳と十六歳になった今も、その無邪気な仲は変わらなかった。ある縁日の日、二人仲良く歩くところを、「おむつましいこと」と一言、学校の女友だちにからかわれる。その日より、やがて千代は病いに臥すことになる…。初めての熱い思い。少女はそれを恋とも呼べず、ひとり死へ赴いてゆく。処女作「闇桜」の他、「うもれ木」「雪の日」「ゆく雲」「うつせみ」を収録。
熱い思いを恋とも呼べず、死へ、狂気へと赴く少女たち。一葉自身の恋をうつす処女作「闇桜」の他、4編を収録。現代の若手作家たちが樋口一葉の世界を現代語訳で甦らせるシリーズ第3弾。

樋口一葉（本名奈津）は明治５年３月２５日（太陽暦５月２日）に生まれ、明治２９年に肺結核のため、２４年という短い生涯を終えました。その短い生涯のうちに、四千首に近い和歌、１５歳から晩年までの日記を残した。この日記は「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」などの作品と並んで、近代文学の傑作といわれている。

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