新しい労働社会
2009-9-22
岩波書店
濱口 桂一郎
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正規労働者であることが要件の、現在の日本型雇用システム。職場の現実から乖離した、その不合理と綻びはもはや覆うべくもない。正規、非正規の別をこえ、合意形成の礎をいかに築き直すか。問われているのは民主主義の本分だ。独自の労働政策論で注目される著者が、混迷する雇用論議に一石を投じる。
濱口 桂一郎
1958年大阪府生まれ。1983年東京大学法学部卒業。同年労働省に入省。東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授をへて、現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構労使関係・労使コミュニケーション部門統括研究員。専門は労働法、社会政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
序章 問題の根源はどこにあるか―日本型雇用システムを考える(日本型雇用システムの本質―雇用契約の性質
日本の労務管理の特徴
日本型雇用システムの外側と周辺領域)
第1章 働きすぎの正社員にワークライフバランスを(「名ばかり管理職」はなぜいけないのか?
ホワイトカラーエグゼンプションの虚構と真実
いのちと健康を守る労働時間規制へ
生活と両立できる労働時間を
解雇規制は何のためにあるのか?)
第2章 非正規労働者の本当の問題は何か?(偽装請負は本当にいけないのか?
労働力需給システムの再構成
日本の派遣労働法制の問題点
偽装有期労働にこそ問題がある
均衡処遇がつくる本当の多様就業社会)
第3章 賃金と社会保障のベストミックス―働くことが得になる社会へ(ワーキングプアの「発見」
生活給制度のメリットとデメリット
年齢に基づく雇用システム
職業教育訓練システムの再構築
教育費や住宅費を社会的に支える仕組み
雇用保険と生活保護のはざま)
第4章 職場からの産業民主主義の再構築(集団的合意形成の重要性
就業規則法制をめぐるねじれ
職場の労働者代表組織をどう再構築するか
新たな労使協議制に向けて
ステークホルダー民主主義の確立)
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