カチンの森 - ポーランド指導階級の抹殺
ヴィクトル・ザスラフスキー
みすず書房
出版时间:
2010/7/10
出版社:
みすず書房
作者:
ヴィクトル・ザスラフスキー
译者:
根岸 隆夫
内容概要
1939年8月の独ソ不可侵条約、 それにもとづく両国の相次ぐポーランド侵攻、 こうして第二次大戦ははじまった。 1940年春、ソ連西部、 スモレンスク郊外のカチンの森で、 ソ連秘密警察は約4,400人のポーランド人捕虜将校を銃殺した。 犠牲者数は、同時期に他の収容所などで殺されたポーランド人と合わせて22,000人以上。 職業軍人だけでなく、医師、大学教授、裁判官、 新聞記者、司祭、小中学校教師など、国をリードする階層全体におよんだ。 しかしソ連は、犯人はドイツであると主張。 さらに連合国もすべてソ連の隠蔽工作に加担し、冷戦下も沈黙を守りつづけた。 ソ連が事実を認めたのは1990年、ゴルバチョフの時代。 92年になるとスターリンの署名した銃殺命令書も閲覧可能になる。 スターリンが、ポーランドという国自体を地図から抹消しようとした理由は何か。 なぜゴルバチョフは、もっとも重要な文書の公開に踏み切れなかったのか。 著者は簡潔にバランスよく、 独ソ不可侵条約とカチン虐殺の関係、欧米列強の対応と思惑、 歴史家の責任、さらにはカチンに象徴されるソ連全体主義の根本的な問題と、 ふたつの全体主義国家(ナチ・ドイツとソ連)の比較まで、最新資料を駆使しながら解析する。 日本では類書はきわめて少ないが、欧米では蓄積がある。 本書はそのなかでも決定版として評価が高い。 今後、20世紀ソ連の全体主義見直しのなかで、 ますます重要度を増すことだろう。 2008年、ハンナ・アーレント政治思想賞を受賞。
图书封面
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