愛のひだりがわ
2002
岩波書店
筒井 康隆
无
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月岡愛は小学6年生。幼いころに野良犬のダンにかまれ、左腕が自由に動かない。住み込み先の夫婦や同級生らからいじめられる毎日の愛は、母親の死をきっかけに行方不明の父親を探す決心をする。自分の左がわにダンの妻デンを従えて東京を目指す愛。殺人、銃の乱射、強盗といった暴力がはびこる世界を旅する愛は、家族にうとましがられているご隠居さんや夫の暴力に耐える志津恵さん、両親を暴走族に殺された歌子さんらと出会いながら、次々と事件に巻き込まれる。
本書は、SFやブラックユーモアなど幅広いジャンルにわたる筒井作品の中で、『時をかける少女』や『わたしのグランパ』などの少年少女小説に分類される。リアリズムの文体を用いながらも、犬と会話する主人公や空色の髪の少年、母親の幽霊といった非現実的な設定をふんだんに取り入れ、ひとりの女の子の成長物語を感動的に紡ぎ出している。荒唐無稽な作り話に陥らずに、逆に現実世界の不条理を浮き立たせているのは、かねてから「マジック・リアリズム」や「メタフィクション」などの実験的な文学の方法を模索してきた筒井だからこそできる力技だ。
「現実の鏡として虚構が存在した時代は終わっている」と語る筒井が挑戦しているのは「現実が模倣し得ぬ虚構」(筒井康隆編『方法の冒険 21世紀文学の創造 3』より)の構築だ。野犬の群れと暴走族を従えて父親に会いに行くクライマックスでの愛の姿は、私小説を主流とした日本文学の固定概念から軽やかに飛翔している。虚構の楽しさを凝縮した本書は、子どもたちには小説のおもしろさを、大人たちには小説のさらなる可能性を示してくれるに違いない。(中島正敏)
出版社/著者からの内容紹介
幼いとき犬にかまれて片腕が不自由な少女,月岡愛.母を亡くした愛は,行方不明の父をさがす旅に出る.大型犬のデンとダン,不思議な老人や同級生サトルに助けられながら,少女は危機をのりこえてゆく.プロットのうまさが光る書き下ろし.
内容(「BOOK」データベースより)
幼いとき左腕を犬にかまれたため片腕が不自由になってしまった少女、月岡愛。母を亡くして居場所を失った愛は、行方不明の父を捜すため旅に出る。大型犬のデンとダン、不思議な老人や同級生の片貝サトルに助けられながら、少女は危機を乗り越えてゆく。
内容(「MARC」データベースより)
幼いとき犬にかまれて片腕が不自由な少女、月岡愛。母を亡くして居場所を失った愛は、行方不明の父を捜す旅に出る。大型犬のデンとダン、不思議な老人や同級生のサトルに助けられながら、少女は危機を乗り越えてゆく。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
筒井 康隆
1934年生まれ。同志社大学卒業。多数のSFのほかに『文学部唯野教授』など多岐のジャンルにわたる幅広い著作がある。映画、演劇、テレビなどにも出演して俳優としも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
无
筒井经历过断笔风波之后,又开始执笔写juvenile小说,距离時かけ已经过了30多年.在本作中我们能看到虚人たち中实验的影子,也能看到作者前一阵子流于小说技法的成果,在更加圆滑的手法中,实验已经变成了实践。
本作把12岁,左手残废的少女月岡愛投入到比现代社会更加残酷和混乱的近未来,描述其寻找父亲的旅途。
拥有小小的超能力(比如跟狗对话)的少女的旅途中总是会遇见波澜万丈的事件,而在少女残废的左侧,总会有人或者狗在守护着她——比如说死去的母亲的幽灵,幼馴染的少年サトル,充满智慧的隐者,喜欢写诗的主妇,大型犬デン和ダン,或者在读这本书的读者也能算在其内。
在近未来荒废的,暴力和自私支配下的世界里,少女在勇气和坚强,以及日益高涨的求知欲的驱动下逐渐成长。而周围的人在守护她的同时也一起经历着各种各样的事件。
整个故事的视角都通过12岁的少女的眼睛来描述,没有细致深入的描写,但是朴实无华的把充满个性的人物呈现在读者眼前,仿佛读者也是陪伴爱旅行的一员一般。
最后凌乱的事件和人最终收敛在一起,故事走向了大团圆。而故事主题也逐渐浮现。
拥有天空一般发色的サトリ的头发也逐渐变黑,曾经的浮游能力也消失了。“きっと、もう純粋じゃなくなったから””それはつまり、大人になることだね”——サトリ也有了自己的生活和恋人
作为孩子才能拥有的事物,在成长的同时也逐渐失去。爱在成为能够独立生活的立派的大人的同时,也意味着她的左侧再也不会有人守护着她。
从小小的失恋到最后一行,月岡愛发现自己终于丧失了和一直陪伴着她的大型犬デン和ダン的沟通能力,幸福的喜悦越大,丧失也来得越猛烈。
这一刻,我泪流满面
不知道是不是翻译的问题,我看了中文版觉得只有最后感动到了我,真心后悔看中文版。。。= =